神林さんの【表紙が黒い本+α】ギャラリー
表紙が黒い本に、お気楽な内容を期待するひとは少なかろう。不穏、恐怖、混沌、狂気、歪曲、絶望……そんな後ろ暗い美学が黒のなかに渦巻いていると思えばこそ、ひとは黒い本を手にしてしまう。あるいは、そんな背徳的な自分の嗜好と思考を黒のなかに見出しては、そのことに密かな愉悦を覚えているのかも知れない。ナルシズムの黒。今日もまた本棚が黒に侵食されていく。
早川書房のフィリップ・K・ディックシリーズ、この秀逸さはもっと話題にされていいはず。シリーズの関係上、一部「黒」くない本も並べた。