2017年度ベスト10

いまさら翼といわれても

某所では恒例としているベスト10。
 
2017年もあますところ2週間なのでそろそろ発表してもいいかなと。
手元のメモから目についたものをちょろちょろっとピックアップしただけで厳選はしていない。順位も関係ない。面白かったものを10冊選出。面白かった本はほかにもまだまだたくさんある。
 
下手な小説よりも学術書のほうがずっと面白いことがある。それが今回だと『隷属への道』だったり『暴力の解剖学』だったり。ここには挙げていないケネス・フォード『量子的世界像 101の新知識』は気を失いそうになるほど難しかった。一応、入門本の位置付けなのだが、量子力学を正確に学ぼうとしたらこのレベルになってしまう。『ビブリア古書堂』シリーズも本年完結した。アニメ化を心待ちにしている。
 
画像は『災厄の町』を映画化した『配達されない三通の手紙』(野村芳太郎監督)。これ、片岡仁左衛門でしょ? うーん、カッコいい。

  1. 米澤穂信いまさら翼といわれても
  2. 西尾維新愚物語
  3. ハイエク隷属への道
  4. ストーカー『吸血鬼ドラキュラ
  5. 澁澤龍彦記憶の遠近法
  6. レイン『暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待
  7. 陳舜臣実録アヘン戦争
  8. 野矢茂樹ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む
  9. 池波正太郎真田太平記
  10. エラリー・クイーン災厄の町

 

 〈寸評〉

  • 『いまさら』、折木の誤解が解けたり、千反田が途方に暮れたり、重い作品が多い。だけどそれがつまらないのではなくて面白い。先が気になる。
  • 愚物語』、老倉ちゃん、阿良々木のことを心から憎んでいるが、一方で好きで好きでしようがない。いじらしくて泣ける。
  • 『隷属への道』、〈知識人〉と呼ばれる人間たちが全体主義へ転ぶのはほとんど職業的生理。自分以外みんなバカと考えてりゃ、全体主義になる。
  • 『ドラキュラ』、雰囲気だけが先行しがちなゴシックホラーを覚悟して読んだが、期待を裏切られる。冒険活劇のエンタメ小説。
  • 『記憶の遠近法』、雑学の宝庫。読んだら、絶対ひとに話したくなる。澁澤センセに嘘をつかれても「そーなんだー!!!」と信じそう。
  • 『暴力の解剖学』、暴力の原因を社会学だけで片付けようとすることに無理がある。残念ながら先天的な要素は見逃せない。
  • アヘン戦争』、日本の近代史の原点はアヘン戦争にある。中国が西洋にこてんぱんに負ける姿を見た日本の衝撃はいかばかりか。
  • ウィトゲンシュタイン』、わかりやすい。著者の「語りきれぬものは、語り続けねばならない」というセンテンスが気に入った。
  • 真田太平記』、流行が去ってからゆっくり読みたいよね。池波正太郎センセは何を読んでも面白い。日本の宝。
  • 『災厄の町』、ミステリーだからどんでん返しと言っちゃあ、どんでん返しなんだが、それだけに収まらないヒューマン・ドラマ。

 

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いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても