天気の子・ラピュタ・北斗

映画の内容には一切触れない、もしくは予告編から知り得る範囲で。
 
映画『天気の子』を観ていて、そういえば日本神話に「雲の神」っていたかな、と。調べてみたら豊雲野神トヨクモノノカミ)というのがいることにはいた。とくだんエピソードがある神さまでもなくその点は影が薄い。ただ、造化三神からずっとユニセックスを貫いてきたのが、この神さまを最後に男女の別があらわれる。そういう意味では、あまり男女を意識しなかった少年少女がお互いに恋心を抱くなんてことのメタファーにはふさわしいのかも知れない。これ、創作に使えるネタである。
 
現代人の多くが勘違いしがちなのだが、天気というのは実は太陽や雨が左右するものではなく雲が決めている。太陽はいつだってそこにあるけれど、その存在を覆い隠し、人間を肌寒くするのは雲なのだから。雨も同じだ。海の真っ只中でいくらでもひと知れず降っている。それが人間にとって切実な問題となるのは、結局その雨を雲が連れてくるかこないかという話。だから予告のなかで帆高くんが陽菜ちゃんのことを「100パーセントの晴れ女?」と叫ぶシーンがあるが、もしその能力が本当ならそれは雲を操れることにほかならない。映画『天空の城ラピュタ』では、城が空を飛ぶこと(もしくはバルス)にばかり目を奪われがちだ。しかし巨大な低気圧の渦「竜の巣」に示されているようにラピュタが雲を操れることこそ、人間にとっての本質的な脅威であったといえる。まさに生殺与奪を握られているわけである。
 
どの民族においてもだいたい最高神とされる太陽神、そのパワーすら遮ってしまうせいか、わたしの知る限りでは、ほとんどの神話で雲は神格化されていない。最高神である太陽神より強かったらヤバい。そんななかヤオヨロズというだけあって、雲を神格化していた日本神話はさすがといえよう。原哲夫武論尊北斗の拳』に登場する雲のジュウザはそのキャラクター造形のカッコよさはもとより、従来神話や伝承で擬人化がなされてこなかった雲を背負うキャラクターとしての斬新さがあったことから人気が出た。

 

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北斗の拳・愛蔵版セット

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