オーガスト・ダーレス他『恐怖通信Ⅱ』河出文庫、1985年【6冊】
収録された10編中、ほかの書籍に収録されている作品は6つ。1「猫の王さま」、このDHCはサプリメントのDHCで間違いないようです。これは意外な事実でした。さまざまな文献を調べていると、こういう面白い情報にも巡り会えます。3「手押し車になった少年」、生徒の男子を罰で手押し車に変えてしまった先生。しかし許してあげても、手押し車から元の姿に戻らず……。まったくホラーではないのですが、妙な読後感を残す作品です。7『ヘンリー・マーティンデールと大きな犬』、目覚めると犬に姿を変えていた男とその妻のあいだに広がる困惑。こちらもホラーというよりはユーモア小説。最後に余韻を残します。谷川晃一さんによる装丁が1巻同様に不気味で素晴らしいです。
KEYBOOK 「暗黒の書」に記された蝦蟇寺の秘密とは?鳩に恋した婦人用下着セールス・マンの運命やいかに?愛する旦那様が犬になったら奥様は?王妃の気まぐれで秘宝を盗む破目になったお抱え魔術師主従の冒険の行方は?旧家の礼拝堂に代々伝わる呪いの正体は?令嬢の婚約の夜、ヒギンズ家を襲った『馬伝説』の影―ほか10タイプの恐怖が味わえるホラー・ストーリー・アラカルト第2弾。 |
1.スティーヴン・V・ベネット「猫の王さま」 収録本「お気に入りの猫物語」DHC、1995年 トウエイン、キャロル、チェーホフ、ペロー、ゾラ、コレット、ベネー、ファイルマン、スティーン、サキ―世界の作家が猫になりたかったあなたに贈る魅惑のアンソロジー。 |
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2.ロバート・E・ハワード「屋上の邪神」 人類だけが常に地球の主だったわけではない。そう、今もなお〈旧支配者〉は世界の何処かに潜み、虎視眈々とわれわれを狙っている―H・P・ラヴクラフトが生みだした〈クトゥルー神話〉。本書は、あのコナンの生みの親がおくるクトゥール神話傑作短編集である。表題作をはじめ、「妖蛆の谷」「獣の影」「闇の種族」「大地の妖蛆」「鳩は地獄から来る」など全十三編を収録した。 |
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3.リチャード・パーカー「手押し車になった少年」 「狼は泣かず」ブルース・エリオット |
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4.ブレンダ・マーシャル「鳩の踊り子」 収録本 該当なし |
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5.フリッツ・ライバー「レントゲン写真」 収録本 該当なし |
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6.ロバート・ブロック「キャンディにはキャンディを」 収録本「子供にはお菓子を」、『楽しい悪夢』ハヤカワ文庫、1975年 |
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7.ミリアム・ヘレン・ディフォード「ヘンリー・マーティンデールと大きな犬」 収録本「グレート・デンになった男」、『海外SF傑作選 クレージー・ユーモア』講談社文庫、1976年
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8.L・スプレイグ・ディ・キャンプ「タンディラの眼」 収録本 該当なし |
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9.L・T・ミード「呪われた魂」 収録本 該当なし |
10.ウィリアム・ホープ・ホジスン「見えないうま」 収録本「霊馬の呪い」、『幽霊狩人カーナッキの事件簿』創元推理文庫、2008年 カーナッキ。電気式五芒星と古文献を駆使しオカルトと科学を混合させて怪奇現象に挑む、名うての“幽霊狩人”。彼が事件を解決するたび、わたしたち友人は招かれて冒険譚を堪能するのだ。被害者しかいない空間での死傷事件、不気味な口笛が響く部屋での怪談等、名探偵ホームズ譚と同時代に書かれその怪奇版として名高いシリーズ全作を新訳。本邦初訳の資料的作品1編を含む全10編。 |