キーブック
北村薫・宮部みゆき編『とっておき名短編』から11冊のご紹介です。本巻の目玉のひとつは、4「壹越」。作品が収録された『虹彩和音』は私家版、今どきの言葉で言えば自費出版であるため、一般に流通していないんですね。無論、Amazonでも扱っておりません。…
北村薫・宮部みゆき編『名短篇、さらにあり』から12冊のご紹介です。巻末に一応出典の情報は載っているのですが、それでも原書を見つけにくく、なかなか難儀しました。それだけ、これらの作品たちは、目下流通している本のなかから適当にチョイスしたもので…
KEYBOOK、森川嘉一郎『趣都の誕生』の参考文献から32冊のご紹介です。わたしたちがオタクとは何かを語ろうとするとき、マンガやアニメやゲームといったソフト、あるいはそれと戯れるオタクの振る舞いに飛びつきがちですが、それを都市論という切り口から解き…
北村薫・宮部みゆき編『名短篇、ここにあり』から12冊のご紹介です。5「少女架刑」や10「誤訳」などは現在もほかの本をあたることができますが、2「夜のぬいぐるみ」や4「隠し芸の男」はもはやこちらを頼る以外に方途がないように思われます。ブックオフ…
KEYBOOK『怖い家』から14冊のご紹介です。日米のお化け屋敷を比較してみると、面白いことが分かります。かつての日本のお祭りには頻繁にお化け屋敷の小屋が掛かりましたが、あれは怪談話のワンシーンを見て回るもの。言うなれば、ウィンドウ・ショッピングと…
KEYBOOK『鬼 文豪怪談ライバルズ!』の底本から14冊のご紹介です。前巻『刀』と較べてもまったく遜色のない、泉鏡花に始まり手塚治虫に終わるバリエーションの多彩さ。継投する顔ぶれも高田衛に京極夏彦に北村透谷といった目白押し感。本読みの悩みのひとつ…
KEYBOOK『刀 文豪怪談ライバルズ!』の底本から14冊のご紹介です。最近だとゲームやアニメでおなじみの『Fate』シリーズにさまざまな宝具が登場しますが、武器というのは単なる道具ではないんですよね。そこにはひとの想いや悪意が込められている。『新世紀…
KEYBOOK『死体入門』の参考文献から30冊のご紹介です。のっけから手前味噌で恐縮ですが、よそではなかなか見かけることのないこのたびのラインナップだと思います。参考文献のネットワークをたどりながら、1冊でも多く未知の書籍にスポットライトをあてたい…
KEYBOOKの参考文献から7冊、プラスおまけの3冊です。市川崑監督の作品を新旧つまみ食いしてきて、なぜこんなにも当たり外れのブレが大きいのだろうか、と長らく疑問を抱いていました。本書を読んでやっと真相が分かりました。奥さま・和田夏十さんの存在な…
先日、倫理学者の先崎彰容さんが多様性についてテレビで語っていました。多種多様な人種の坩堝であるアメリカだからこそ多様性による統一を唱導する意味がある。姿かたちが均質な日本で同じことをすれば、わざわざマイノリティを掘り返すことで国家が分裂す…
神道とは、どのような宗教であるかを解説したキーブック。ざっくりとした説明になりますが、「ない宗教」としての神道、「ある宗教」としての外来宗教という区分けが両者には存在するといいます。そしてまた、この違いこそが神道を神道たらしめている最大の…
収録された10編中、ほかの書籍に収録されている作品は6つ。1「猫の王さま」、このDHCはサプリメントのDHCで間違いないようです。これは意外な事実でした。さまざまな文献を調べていると、こういう面白い情報にも巡り会えます。3「手押し車になった少年」…
収録された12編中、ほかの書籍に収録されている作品は5つにとどまりました。1冊の本から好奇心のネットワークを広げようという当コンテンツの試みですが、本書についてはご容赦ください。1「幽霊」、愛する男に殺害され、幽霊になった女の顛末とは。オー…
ジュブナイル(子供向け)に分類されるレーベルですが、本文はすべて大人向けのものと同じです。子供向けに表現を抑制したり、省略したりというようなことはありません。いち作家いち作品という縛りになっていますが、このシリーズ、本当に作品のセレクトが…
まんだらけに行くと貸本漫画の復刻版が店頭に並んでいますが、なかなか現物を手に取るところまでいきません。良く言えば、荒削り。悪く言えば、作品の域に達してない。そんな印象をもってしまうからです。でも、怖いもの見たさはある。そこで貸本マンガを概…
ちくま文庫ホラーアンソロジーの第2弾は『宿で死ぬ』です。旅館やホテルといった宿泊先で怪異と遭遇したという話はけっこう耳にしますよね。室内の掛け軸や絵画の裏に御札が貼ってあるとか、今やそれが人口に膾炙してしまい宿泊客にすぐさまバレるため、ベ…
未読書への興味を掻き立ててくれる本のことを、わたしは「キーブック」と呼んでいます。未読書は、本文のなかで言及されていることもあれば、注釈に出典として、巻末に参考文献として紹介されていることもあります。或いは、本そのものがとびきりの名著たり…