英国推理作家協会「史上最高の推理小説100冊」1990年
英国推理作家協会が選出した100冊ですが、その多くが日本語で読めるという幸せ。日本の出版業や翻訳業、ミステリー愛好家のみなさまに頭が下がります。ただ、だいぶ絶版の作品も含まれており、そこは古書をあたるなどして見つけてほしいです。6『レベッカ』、時に居ない者が最も雄弁だったりします。居ない者には言い返せませんからね。41『チョコレート』、米澤穂信『愚者のエンドロール』(古典部シリーズ)は本作へのオマージュが込められています。86『コレクター』、驚くなかれ、オタク vs フェミニストの小説です。ミステリーというよりいささかホラー寄り。
1.ジョセフィン・テイ『時の娘』 英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。 |
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私立探偵フィリップ・マーロウ。三十三歳。独身。命令への不服従にはいささか実績のある男。ある午後、彼は資産家の将軍に呼び出された。将軍は娘が賭場で作った借金をネタに強請られているという。解決を約束したマーロウは、犯人らしき男が経営する古書店を調べ始めた。表看板とは別にいかがわしい商売が営まれているようだ。やがて男の住処を突き止めるが、周辺を探るうちに三発の銃声が……。 |
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ベルリンの壁を境に展開される英独諜報部の熾烈な暗闘を息づまる筆致で描破! 作者自身情報部員ではないかと疑われたほどのリアルな描写と、結末の見事などんでん返しとによってグレアム・グリーンに絶賛され、英国推理作家協会賞、アメリカ探偵作家クラブ賞両賞を獲得したスパイ小説の金字塔! |
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母校オクスフォードの学寮祭に出席した探偵作家ハリエットは、神聖たるべき学舍で卑劣な中傷の手紙に遭遇する。思い出は傷ついたが、後日、匿名の手紙が学内を騒がせているとの便りが舞いこむ。ピーター卿は遠隔の地にあり、彼女は単独調査へ駆り出される羽目に。純然たる犯人捜しと人生への洞察が奏でる清新な響き。著者畢生の大長編! |
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名士アクロイドが刺殺されているのが発見された。シェパード医師は警察の調査を克明に記録しようとしたが、事件は迷宮入りの様相を呈しはじめた。しかし、村に住む風変わりな男が名探偵ポアロであることが判明し、局面は新たな展開を見せる。ミステリ界に大きな波紋を投じた名作。 |
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6.ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』 ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――この文学史に残る神秘的な一文で始まる、ゴシックロマンの金字塔、待望の新訳。海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり……。 |
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前科者大鹿マロイは、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。たまたま居合せた私立探偵マーロウは、警察に調べられる。その後彼はある事件を依頼された……。全篇に流れるリリシズムとスリルと非情な眼は、既に探偵小説の域を超え独自の世界を創り上げている。 |
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8.ウィルキー・コリンズ『月長石』 インド寺院の宝〈月長石〉は数奇な運命の果て、イギリスに渡ってきた。しかし、その行くところ、常に無気味なインド人の影がつきまとう。そしてある晩、秘宝は持ち主の家から忽然と消失してしまった。警視庁のけんめいの捜査もむなしく、〈月長石〉のゆくえは杳として知れない。「最大にして最良の推理小説」といわれる古典的名作の完訳。 |
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英国で最も重要な情報機関WOOC(P)。新たにその一員となったわたしは、失踪した化学者をジェイなる人物の手から取り戻す任務を与えられた。ジェイは一連の要人失踪事件を操る黒幕らしい。問題の化学者は、東側に拉致される途中、レバノン山中で奪回。だが依然として、ジェイと彼の組織の動向はつかめなかった。謎を追い、ロンドンの不気味な家、南太平洋の原爆実験島と動き回るわたしは、やがて自分が東側の二重スパイとして追われていることを知る! |
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私立探偵サム・スペードの事務所を若い女が訪れた。悪い男にひっかかり、駆け落ちした妹を連れ戻して欲しいとの依頼だった。スペードの相棒が相手の男を尾行するが、相棒も男も何者かに射殺されてしまう。女の依頼には何か裏があったのか…。やがて、スペードは黄金の鷹像をめぐる金と欲にまみれた醜い争いに巻き込まれていく―ハンフリー・ボガート主演映画で知られる、ハードボイルド小説の不朽の名作。 |
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11.ジョセフィン・テイ『フランチャイズ事件』 「フランチャイズ家」と呼ばれる邸に住むマリオン・シャープと母親はある娘に誘拐暴行犯として訴えられていた。娘は邸につれこまれ、殴る蹴るの目にあいながら、一ヵ月ものあいだ下女働きをさせられたというのだ。確かに暴行の跡は娘の体に無数の傷となって残っている。しかしシャープ母娘にとって、それは全く身に覚えのないことだった。 |
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1950年3月。カレッジの一年生、ローウェルが失踪した。彼女は成績優秀な学生でうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由もわからない。事故か?他殺か?自殺か?雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと推理・尋問で見事に解き明かしていく。巨匠が捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作! |
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迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。バスカヴィルのウィリアム修道士が事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したが…。精緻な推理小説の中に碩学エーコがしかけた知のたくらみ。 |
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14.ジェフリー・ハウスホールド『追われる男』
要人暗殺未遂の廉で逮捕されたわたしは、九死に一生を得て、からくも帰国する。だが執拗な追及の手は故国イギリスにまで及び、わたしはイングランド南部の丘陵へと逃亡し、徐々に逃れることのできない窮地へと追いこまれていく……!!〈サンデー・タイムズ〉のミステリ・ベスト99にも選ばれた英国冒険小説の傑作。 |
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15.レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』 私立探偵フィリップ・マーロウは、ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上るのだった! ハードボイルド派の王座を占めるチャンドラーが五年間の沈黙を破り発表した畢生の傑作、一九五四年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作 |
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16.フランシス・アイルズ『殺意』 イギリスの田舎町の開業医ビグリー博士は妻のジュリアを殺そうと決意し、周到な計画のもとに犯行へと移った。完璧を誇る殺害計画、犯行過程の克明な描写、捜査の警官との応酬、完全犯罪を目前に展開される法廷での一喜一憂、そして意外な結末は殺人者の心理を描いて余すところがない。倒叙推理小説の三大名作の一つとして名高い傑作! |
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17.フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』 暗号名ジャッカル――ブロンド、長身、ひきしまった体躯のイギリス人。プロの暗殺屋であること以外、本名も年齢も不明。警戒網を破りパリへ……標的はドゴール。計画実行日”ジャッカルの日”は刻々と迫る! |
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冬将軍の去った沼沢地方の村に、弔いの鐘が響いた。病がちな赤屋敷の当主が逝ったのだ。故人の希望は亡妻と同じ墓に葬られること、だが掘り返してみると、奇怪なことに土中からもう一体、見知らぬ遺骸が発見された。死因は不明。ピーター卿の出馬が要請される。一九三〇年代英国が産んだ最高の探偵小説と謳われる、セイヤーズの最大傑作。 |
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19.アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』 その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作! |
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アフリカからロンドンに帰って来たリチャード・ハネーは退屈しきっていた。しかしふと知り合った男が殺されるにおよんで、ハネーはおそるべきスパイ団の大陰謀にまきこまれてしまった。世界大戦の一大危機を阻止する手がかりは、〈三十九階段〉ということばだけ……ハガード、ドイルとならぶイギリス冒険小説の雄、バカン不朽の代表作! |
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21.アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』全短編 ホームズ物語は、月刊誌『ストランド』に短編が掲載されはじめてから爆発的な人気を得た。ホームズが唯一意識した女性アイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」をはじめ、赤毛の男に便宜を図る不思議な団体「赤毛組合」の話、アヘン窟から話が始まる「唇のねじれた男」、ダイイングメッセージもの「まだらの紐」など、最初の短編12編を収録。第1短編集。 |
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広告主が訪れる火曜のピム社は賑わしい。特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。これには文案部も音をあげる。妙な新人が入社したのは、その火曜のことだった。前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は、社内を混乱の巷に導くが……。広告代理店の内実を闊達に描くピーター卿物の第八弾は、真相に至るや見事な探偵小説に変貌する。 |
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23.エドガー・アラン・ポー『ポオ小説全集』 アメリカ最大の文豪であり、怪奇と幻想、狂気と理性の中に美を追求したポオ。彼は類なき短編の名手である。推理小説を創造し、怪奇小説・SF・ユーモア小説の分野にも幾多の傑作を残した彼の小説世界を全四巻に完全収録した待望の全集! |
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24.エリック・アンブラー『ディミトリオスの棺』 派手なアクションを避け、地道にスパイの心理を追うスパイ小説の王道を切り開いたアンブラーの初期の代表作。「探偵小説味のある作品を書いている現役の作家で、文学者として最も優れた人は誰かと考えてみると、英のグレアム・グリーン、仏のジョルジュ・シムノン、それから英のエリック・アンブラー、この三人が特別に際立っている」江戸川乱歩はこう書いた。イスタンブールを訪れた英国人作家ラティマーは、秘密警察長官から、国際的犯罪者ディミトリオスが死んだことを聞かされる。だが、ディミトリオスの死体を眺めているうちに、ラティマーはこの男の謎につつまれた過去を洗ってみようという衝動にかられた。 |
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25.エドマンド・クリスピン『消えた玩具屋』 月光に誘われ、深夜オックスフォードの町を逍遥していた詩人キャドガンは、ふと一軒の玩具店の前で足を停めた。 開け放しの戸口に興味を惹かれ中に入った彼は、一人の女の死体を発見した。 余り愉快な光景じゃない、そう想った瞬間、彼は頭部に一撃を受け気を失った。 翌朝、意識を取戻したキャドガンの視界から、昨夜の玩具店は跡形もなく消え失せていた。 彼は、年来の友人であるフェン教授に事情を話し、手掛りを求めて町を彷徨い始めるが……大学の町オックスフォードを舞台に繰広げられるユーモアとウィットとサスペンス。 |
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26.マージェリー・アリンガム『霧の中の虎』 戦争の傷痕が生々しく残るロンドン。戦争未亡人のメグは再婚を控えていた。ところが、そんなメグのもとへ送りつけられた数枚の写真は、亡夫の生存を示唆したものだった。単なるいたずらか、何か狙いがあるのか、あるいは本当に夫が生きのびているのか?動揺したメグは名探偵アルバート・キャンピオン氏とロンドン警視庁のルーク主任警部に相談する。写真の送り主の指示により駅に赴いたメグの前に現われたのは…姿なき敵を追い、霧のロンドンに展開される一大マンハント。キーティング、シモンズら斯界の達人が絶讃した、黄金時代の傑作。 |
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ロンドンに住む花屋の店員アルマは、妻ある歯科医ウォルターとひそかに愛しあっていた。ウォルターの妻がアメリカに渡ると言い出したとき、別れたくない二人は妻の殺害計画をたてて、大西洋を横断する豪華客船に乗り込む。しかし、予期せぬ殺人事件が船内で起きた。伝説的な名警部に間違えられたウォルターは、捜査にあたるはめになり……英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞、ユーモアあふれる本格ミステリの傑作。 |
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28.ウィルキー・コリンズ『白衣の女』 暑熱去らぬ夏の夜道、「ロンドンに行きたい」と声をかけてきた白ずくめの女。絵画教師ハートライトは奇妙な予感に震えたー。発表と同時に一大ブームを巻き起こし社会現象にまでなったこの作品により、豊饒な英国ミステリの伝統が第一歩を踏み出した。ウィルキー・コリンズ(1824-89)の名を不朽のものにした傑作。 |
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29.バーバラ・ヴァイン『死との抱擁』 ヴェラ・ヒリヤードの死期は、時間と分に至るまで、あらかじめはっきりとわかっていた。彼女は絞首刑に処せられたのだ、殺人罪で。平凡な中流家庭に生れ、幸福な結婚をしたはずのヴェラが、なぜ殺人を犯すに至ったのか?そして、まるで母と子のように仲むつまじかった、妹イーディンと彼女の間に何が起きたのか?作者の精緻な筆が闇の迷宮に踏みいるとき、暗黒の底からある異常な物語が浮かびあがってくる。レンデルが別名義のもとに満を持して放つ意欲作。アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞。 |
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浮浪者のおれが雇われることになった店は、どこにでもあるような街道ぞいの安食堂だった。おれはその店がすぐ気に入った。コーラという名の若いセクシーな女房がいたからだ。おれとコーラはいい仲になり、やがて亭主のギリシャ野郎、ニックの存在が邪魔になりだした。おれとコーラはひそかにニック殺害の完全犯罪を計画したが……1930年代のアメリカを舞台に、性と暴力の作家が描くハードボイルド小説の名作。 |
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賭博師のボーモンは、建築会社を経営する友人のマドウィッグから大胆な計画を打ち明けられた。地元の上院議員の後ろ盾となって、市政の実権を握ろうというのだ。が、その矢先、議員の息子が殺され、関係者のもとにマドウィッグを犯人とほのめかす匿名の手紙が届けられた。窮地に立たされた友のため、ボーモンは自ら事件の渦中に飛び込んでいく。非情な世界に生きる男たちを鮮烈に描くハードボイルドの雄編。 |
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名家バスカヴィル家の当主チャールズが怪死を遂げた。激しくゆがんだ表情を浮かべた死体の近くには巨大な犬の足跡があり、土地の者は全身から光を放つ巨大な生き物を目撃していた。それらが示唆するのは、忌まわしい〈バスカヴィル家の犬〉の伝説……。相続人ヘンリーがバスカヴィル家を継ぐことになったが、その身を案じた医師の依頼で、ホームズとワトスンは捜査にあたることに――。寂莫とした荒れ地(ムーア)を舞台に展開する、恐怖と怪異に満ちた事件の行方は? |
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33.ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 英国情報部“サーカス”の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ。引退生活から呼び戻された元情報部員スマイリーは、困難な任務を託された。二重スパイはかつての仇敵、ソ連情報部のカーラが操っているという。スマイリーは膨大な記録を調べ、関係者の証言を集めて核心に迫る。やがて明かされる裏切者の正体は?スマイリーとカーラの宿命の対決を描き、スパイ小説の頂点を極めた三部作の第一弾。 |
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34.E・C・ベントリー『トレント最後の事件』 アメリカ実業界の巨人マンダースンが、イギリスにある別邸で撃たれ殺害された。画家にして名探偵のトレントは、懇意の新聞社主に依頼され、事件記者として現地に赴く。そこで彼は最重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会うのだった…。独創的な大トリックを有し、恋愛の要素をミステリに持ちこんで成功した本書は、現代推理小説の黎明を告げる記念碑的名作である。 |
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ソ連情報部は、このところの失策続きをなんとか挽回しようとしていた。そこで槍玉に挙げられたのが、英国秘密情報部の腕利きスパイ、007ことジェームズ・ボンドだった。陰謀の舞台は、トルコのイスタンブール。ソ連情報部の美女との、豪華なオリエント急行での逃避行。二重三重に仕かけられた罠に、さしものジェームズ・ボンドも次第に搦めとられていく。シリーズ最高峰の傑作。 |
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連日猛暑のつづくアイソラ市の路上で、夜勤に向かう87分署の刑事が、銃弾2発を受けて即死する。残された手がかりは、45口径の拳銃から発射された銃弾だけ。87分署の刑事たちの懸命の捜査にもかかわらず、解決のいとぐちはつかめない。つづいて黒人刑事が胸を撃たれて殺される。凶器は同じ45口径。恨みか、変質者のしわざか、それとも「警官嫌い」によるものか。地道な捜査がつづくなか、第三の犯行がおこなわれる。犠牲者はブッシュ刑事。彼の必死の抵抗にあって、犯人は多くの手がかりを残すが、直接犯人に結びつくものは何ひとつない。はたして犯人の目的は?本書は、その後の推理小説に新分野をひらいた「87分署シリーズ」の第一作目。 |
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37.コリン・デクスター『ジェリコ街の女』 モース警部がジェリコ街に住む女アンに出会ったのは、あるパーティの席上だった。すっかり意気投合した二人は再会を約すが、数カ月後、彼女は自宅で首吊り自殺を遂げた。はたして本当に自殺なのか?モースにはどうしても納得がいかなかった。やがてアンの家の近所で殺人事件が起こるにおよび、モースの頭脳はめまぐるしく動き始めた。前作に続き英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を連続受賞した傑作本格ミステリ。 |
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38.パトリシア・ハイスミス『見知らぬ乗客』 新進建築家ガイは、妻と離婚するため故郷へ向かう列車の中で一人の青年と出会う。チャールスと名乗る男は、富豪の息子で、父を偏執的に嫌悪していた。狂気じみたように父を語る彼に、ガイはふと、妻のトラブルに悩んでいると打ち明ける。彼の妻ミリアムは、他人の子供を身ごもりながら、離婚に応じようとしない、と。ガイに同情したチャールスは、驚くべき計画を持ちかける。彼がガイの妻を殺すかわりに、ガイに自分の父を殺してくれというのだ……。 |
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39.ルース・レンデル『ロウフィールド館の惨劇』 ユーニス・パーチマンがカヴァデイル家の一家四人を惨殺したのは、たしかに彼女が”文字が読めなかった”からである。 ユーニスは有能な召使だった。家事万端完璧にこなし、広壮なロウフィールド館をチリひとつなく磨きあげた。ただ、何事にも彼女は無感動だったが……。 その沈黙の裏でユーニスは死ぬほど怯えていたのだ、自分の秘密が暴露されることを。一家の”善意”が、ついにその秘密をあばいた時、すべての歯車が惨劇に向けて回転をはじめた……。 |
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ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと冒子に身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れた。やがて二人が入った書斎から、銃声が響く。居合わせたフェル博士たちがドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた!しかも密室状態の部屋から謎の男の姿は完全に消え失せていたのだ!名高い“密室講義”を含み、数ある密室ミステリの中でも最高峰と評される不朽の名作。 |
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41.アントニー・バークリー『毒入りチョコレート事件』 ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面々は、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。被害者は、新製品という触れ込みのチョコレートを試食した夫妻。チョコレートには毒物が仕込まれており、夫は一命を取り留めたが、夫人は死亡する。だが、そのチョコレートは夫妻ではなく他人へ送られたものだった。会員たちは独自に調査を重ね、自慢の頭脳を駆使した推理を、一晩ずつ披露する――。誰がこの推理合戦に勝利するのか。 |
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42.エリス・ピーターズ『聖女の遺骨求む』 12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。教会の権威を高めるために、寒村の教会に残された聖女の遺骨を引き取るためだった。ところが拙速に進めようとする修道士達と、村人達は一触即発の状態。そんななか、反対派の急先鋒で地主のリシャートが殺害されて……。大人気『修道士カドフェル』シリーズ第一弾がここに! |
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43.エリス・ピーターズ『死への婚礼』 婚礼当日発見された初老の花婿の死体。花嫁は広大な領地の相続人だが、両親亡きあと邪悪な伯父夫婦の後見で強制的に結婚させられる18歳の娘だった。殺人の疑いは花嫁に恋をした花婿の従者にかかり、彼はラザラスと名のる老病者の手引きでセント・ジャイルズの施療院に逃げ込む。花嫁が、かつての十字軍騎士で伝説の英雄の孫娘と知ったカドフェルは、事件の解明に奔走する。 |
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二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。拳銃、薬物、偽装事故と、いく通りかの殺人方法を調べ上げてみた。結局偽装自殺に決めたのだが、遺書のために女の筆跡を入手しなければならない。自身はあった─戦慄すべき完全犯罪を行おうとするアプレゲール青年の冷酷非情な行動と野心。弱冠23歳の天才作家の手になる、アメリカ探偵作家クラブ最優秀処女長編賞を受賞した恐るべき傑作。 |
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45.パトリシア・ハイスミス『太陽がいっぱい』 イタリアに行ったまま帰らない息子ディッキーを連れ戻してほしいと富豪に頼まれ、トム・リプリーは旅立つ。その地でディッキーは、絵を描きながら女友達マージとともに自由な生活をおくっていた。ディッキーに心惹かれたトムは、そのすべてを手に入れることを求め、殺人を犯す…巨匠ハイスミスの代表作。 |
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海辺の行楽地ブライトンに巣喰う十七歳の不良少年ピンキー。つねに硫酸と剃刀を持ち歩き、どんな暴力をも厭わない少年はまさしく悪の化身だった。彼はある時、仲間とともに殺人を犯す。完璧なアリバイを偽装したつもりだったが、ある純朴なウェートレスだけが少年たちの怪しい行動を目撃していた。口を封じるため、ピンキーは同い年の彼女に近づくが…名訳で贈る、善と悪、永遠とは何かを問うグリーン初期の代表的長篇。 |
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47.レイモンド・チャンドラー『湖中の女』 別荘の管理人ビルが大声を上げて指さしたものは、深い緑色の水の底でゆらめく人間の腕だった。目もなく、口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体がやがて水面に浮かび上がってきた―フィリップ・マーロウは化粧品会社社長の依頼で、1カ月前に姿を消したその妻の行方を追っていた。メキシコで結婚するという電報が来ていたが、情夫はその事実を否定した。そこで、湖のほとりにある夫人の別荘へ足を運んだのだが……ハードボイルド派の巨匠チャンドラーが名作『長いお別れ』に先駆けて発表した、独自の抒情と乾いた文体で描く異色大作。 |
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アメリカ中部の大都市、地方検事を選ぶ選挙戦のさなかに、美人検事補が自宅で全裸の絞殺死体となって発見された。変質者によるレイプか、怨みが動機か、捜査に乗りだしたサビッチ主席検事補は、実は被害者と愛人関係にあった間柄、容疑が次第に自分に向けられてくるのを知って驚く―。現職検事補による世界的ベストセラー。 |
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49.ルース・レンデル『わが目の悪魔』 アーサー・ジョンソンの孤独な日常生活は何者にも妨げられることがなかった。人知れずアパートの地下室で行う悦楽の儀式も…。すべてを狂わせたのは、アパートの新たな入居者、アントニージョンソンだった。発端はこの同姓の若者宛の手紙を誤ってアーサーが開封したことであった。これがアーサーの隠れた狂気を誘発した。誤解と妄想のうちに肥大してゆくアーサーの狂気は、やがて明確な犯罪の形をとり始めた─。 |
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歴史学教授のフェントンは過去のある事件を調べるため、悪魔と契約を交わし時を遡った。三百年前の貴族に乗り移り、その妻が毒殺された事件を解明しようというのだ。きっかけは、事件の顛末を記した執事の手記だった。なぜか事件解明の部分だけ欠落していたのだ。過去の謎に挑むフェントンは事件を防ぎ、歴史を作り変えられるか? 華麗な恋愛模様と壮絶な剣戟場面を織り込み、中世英国を舞台にものした歴史ミステリ巨篇。 |
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51.バーバラ・ヴァイン『運命の倒置法』 豊かな自然に囲まれたカントリー・ハウスで、チップステッド夫妻は愛犬の埋葬の最中に若い女と赤ん坊の白骨屍体を掘り出した。カントリー・ハウスの元所有者アダム・ヴァーン=スミスは、父からその不吉な知らせを受けた。10年前のあの忌わしい出来事が消しがたい記憶となって甦る。もし大叔父があの家を父に遺していたなら、誰も死ぬことはなかったのに…。過去と現在が交錯し、様々な記憶の旋律が複雑に絡なり響き合う。 |
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52.マイクル・イネス『The Journeying Boy』 | |
教会の聖具室で血溜まりの中に横たわる二つの死体は、喉を切り裂かれた浮浪者ハリーと元国務大臣のポール・ベロウン卿だった。二人の取り合わせも奇妙だが、死の直前の卿の行動も不可解だった。突然の辞表提出、教会に宿を求めたこと…卿は一体何を考えていたのか?彼の生前の行動を探るため、ダルグリッシュ警視長は名門ベロウン家に足を踏み入れる。重厚な筆致で人間心理を巧みに描く、英国推理作家協会賞受賞作。 |
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54.ジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた』 鷲は舞い降りた!ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。歴戦の勇士シュタイナ中佐率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定のチャーチル首相の誘拐だった!イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使命達成に命を賭ける男たちを描く傑作冒険小説―その初版時に削除されていたエピソードを補完した決定版。 |
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55.メアリー・スチュアート『My Brother Michael』 | |
19世紀ヴィクトリア朝。「きたか、あいつら」という謎の言葉を残し、偉大なる騎手アーチャーが拳銃自殺した。国中に衝撃が走ったが、検視審問では熱病による錯乱とみなされた。だが、その評決に疑問を抱く者が1人だけいたのだ。時の英国皇太子アルバート・エドワードである!競馬を愛し、アーチャーとも親交のあった皇太子は、ひそかに市井に飛び出すや、知り合った大佐をワトスン役に、事件の真相を追い始めた―名声をほしいままにした人物に何が起こっていたのか?英国皇太子の痛快な冒険を描き、小説の醍醐味を満喫させる最新作。 |
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57.スーザン・ムーディー『Penny Black』 | |
58.レイ・デントン「SIS局員バーナード・サムソン三部作」 『ベルリン・ゲーム』 『メキシコ・セット』 『ロンドン・マッチ』 |
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59.ディック・フランシス『奪回』 ヨーロッパ最高の女性騎手がイタリアで誘拐され、巨額の身代金が要求された。誘拐対策企業の派遣スタッフであるアンドルーは、父親の要請を受けて即座に現地に飛んだ。狡智たちた犯人の策略に交渉は難航した。六週間後、ようやく身代金受け渡しが終了し、人質は無事救出された。だが数週間後、今後はイギリスでダービー優勝者の馬主の息子がさらわれたのだ。ヨーロッパをまたにかけ、競馬関係者を標的に起こった二つの誘拐。アンドルーは同一犯人の影を感じた…誘拐対策のエキスパートと冷徹や誘拐犯の白熱の頭脳戦を卓抜な着想で描く力作。 |
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ダルグリッシュ警視長は、原子力発電所の聳える海沿いの村を休暇で訪れた。その村では最近、女性ばかりを狙う連続絞殺魔が暗い影を落としていた。ダルグリッシュが発電所所長宅の夕食会に招かれた夜、発電所の職員が帰宅途中に絞殺されるという事件が起きた。住民の恐怖が高まるなか、ダルグリッシュは海岸で女性幹部ヒラリーの他殺体を発見する。手口から新たな犠牲者と思われたが、事件の前に絞殺魔は自殺していた…。 |
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ヨークシャーの炭坑町で三年前に起きた幼女失踪事件は、当時つぎつぎと幼女を暴行し、殺害していた殺人鬼の仕業だと考えられていた。だが、地元住民の間では、失踪直前まで幼女と一緒にいた炭坑夫のビリーに対する疑惑が根強く残っていた。そして、事件から三カ月後、ビリーは散歩中に板で塞がれていた廃坑の穴に墜ち、事故死を遂げたのである。父ビリーの死をきっかけに故郷の町に戻ってきたコリンは、父と同じく炭坑夫となった。そんなある日、事件を根底から覆すような新情報が警察にもたらされ、ダルジール警視とパスコー警部は、閉鎖的な炭坑町で起きた殺人事件の調査へと駆り出されることに…。 |
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62.メアリー・スチュアート『Nine Coaches Waiting』 | |
63.ポーラ・ゴズリング『逃げるアヒル』 広告会社に勤める美貌のOLクレアは、ある日何者かに狙撃された。幸いにも軽傷ですんだが、追い打ちをかけるように彼女のアパートが爆発し、元恋人が巻き添えになって死んだ。まったく身に覚えがないクレアだったが、やがて、おぼろげな記憶の中から、数日前に言葉を交わした一人の男が浮かび上がった。彼こそ警察が血眼で追っている名うての殺し屋だったのだ。護衛についた元狙撃兵の刑事とともに逃避行に出たクレアに、暗殺者の執拗な銃口が迫る。 |
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64.マイケル・ギルバート『スモールボーン氏は不在』 ロンドンの法律事務所の書類金庫の中からある日、外遊中のはずだった顧客スモールボーン氏の遺体が発見された。事務所で煙たがられる存在だった共同管財人の彼を、なぜ、いつ、誰が、ただでさえ人目に付く事務所の中で、それも開閉に多くの鍵を必要とする面倒きわまりない金庫に、どうやって詰め込んだのか?チャンドラーの法律顧問でもあった英国の弁護士作家が、さりげないユーモアを込めて描き出した人間パズル。 |
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65.ライオネル・デヴィッドスン『チベットの薔薇』 著者ライオネル・デヴィッドスンは、出版社の社員として、ある手記にめぐり会った。それは、一介の美術教師の手になる、驚くべき冒険の記録だった―この英国人は、チベットで消息を絶った弟の行方を追って、遠くヒマラヤの奥地へ潜入した。そこは、輪廻転生を信じ、独自の世界観を持つ人間たちが住む、神秘的な土地。そしてまた、中国が覇権を狙う危険な領域でもあった! |
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十八歳の誕生日を迎えて、フィリッパは実の両親を捜しはじめた。だが彼女が探りあてたのは、父は少女暴行罪で服役中に獄死、母はその少女を殺害した罪で今も服役中という恐ろしい事実だった。母メアリの出所が間近であることを知ったフィリッパは、養父母の反対を振り切って、出所後の母と一緒に暮らすことにした。だがフィリッパだけがメアリの出所を待っていたのではなかった。娘を殺された父親も、復讐のために、殺人者の出所を待ちかまえていたのだった…。人の犯した罪とは何か、親子の絆とは何かを問う、ミステリの新女王の戦慄の問題作。 |
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裁判官による説示。被告人ハリエット・ヴェインは恋人の態度に激昂、袂を分かった。最後の会見も不調に終わったが、直後、恋人が激しい嘔吐に見舞われ、帰らぬ人となる。医師の見立ては急性胃炎。だが解剖の結果、遺体からは砒素が検出された。被告人は偽名で砒素を購入しており、動機と機会の両面から起訴されるに至る……。ピーター卿が圧倒的な不利を覆さんと立ち上がる第五弾。 |
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68.マイクル・イネス『ハムレット復讐せよ』 英国有数の貴族ホートン公爵の大邸宅で、名士を集めて行われた「ハムレット」の上演中、突如響きわたった一発の銃声。垂幕の陰で倒れていたのは、ポローニアス役の英国大法官だった。事件直前、繰り返されていた謎めいた予告状と、国家機密を狙うスパイの黒い影、そして、いずれもひとくせありげなゲストたち。首相直々の要請により現場に急行したスコットランドヤードのアプルビイ警部だが、その目の前で第二の犠牲者が…。英国本格黄金時代を代表する名作。 |
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69.トニイ・ヒラーマン『時を盗む者』 インディアン遺跡の発掘現場から突然姿を消した女性人類学者はいったいどこへ? 妻を亡くし傷心のリープホーン警部補が追う失踪事件は、やがてチー巡査が捜査中の掘削機盗難と結びつき、思いがけない殺人事件へと発展した……。 |
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70.キャリル・ブラームス、S・J・サイモン『A Bullet in the Ballet』 | |
アルダーマン老人はパトリック少年を忌み嫌っていた。姪の若気の過ちでできた私生児という生立ち、11歳の少年に似合わぬ無表情な顔つきに我慢ならなかったのだ。だがその日のパトリックは、珍しく興味深げに夫人がやっている薔薇の摘み取りを見守っていた。夫人の胸にかすかな希望が芽ばえた。うまく鍛えれば、少年をこのローズモント屋敷の薔薇園の庭師代わりに仕立てられるかもしれない。夫人は摘み取りのやり方を教え、剪定用ナイフを渡した。魅入られたように鋭い刃を見つめていた少年の表情が一変した。手に握ったナイフが高く掲げられ、陽光にきらめく。夫人のひ弱な心臓を停止させるには、それで充分だった……。 |
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作家のロロ・マーティンズは、友人のハリー・ライムに招かれて、第二次大戦終結直後のウィーンにやってきた。だが、彼が到着したその日に、ハリーの葬儀が行なわれていた。交通事故で死亡したというのだ。ハリーは悪辣な闇商人で、警察が追っていたという話も聞かされた。納得のいかないマーティンズは、独自に調査を開始するが、やがて驚くべき事実が浮かび上がる。20世紀文学の巨匠が人間の暗部を描く名作映画の原作。 |
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73.アントニイ・プライス『迷宮のチェスゲーム』 英国国防省の諜報機関で中東情勢分析を担当するオードリーにある夜、本部から指令が入る。〈終戦直後墜落した英空軍輸送機の残骸が発見さる、至急調査せよ〉その飛行機は以前からソ連が異常な関心を示し続けてきたものだ。博士号を持つオードリーは部屋の中での分析仕事なら得意だが、“フィールド・マン”のタイプではない。彼はなぜ汚れた仕事に選ばれたのか?が、やがて彼は、歴史の虚実が織り成す迷宮の中に迷い込み謎のロシア人と対決することに…。 |
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74.アダム・ホール『不死鳥を倒せ』 | |
75.マーガレット・ミラー『狙った獣』 莫大な遺産を継いだヘレンに、友人を名乗る謎めいた女から突然電話がかかってきた。最初は穏やかだった口調は徐々に狂気を帯び、ついには無惨な遺体となったヘレンの姿を予見したと告げる。母とも弟とも断絶した孤独なヘレンは、亡父の相談役だったコンサルタントに助けを求めるが……米国随一の心理ミステリの書き手による、古典的名作の呼び名も高いMWA最優秀長編賞受賞作。 |
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76.サラ・コードウェル『黄泉の国へまっしぐら』 探偵テイマー教授の名推理ふたたび―謎解きはギリシャで!テムズ河、そして紺碧のイオニア海で相続人達を次々に見舞う“事故”の真相とは? デビュー作『かくてアドニスは殺された』で好評を得た著者が満を持して贈る第2作。ギリシャ神話をとりこんだ巧緻な筋立てと軽妙洒脱な会話が冴える本格傑作! |
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77.デズモンド・バグリィ『裏切りの氷河』 元英国情報局員アラン・スチュワートは再び局から協力を要請された。過去の対ソ工作活動の実績を買われたのだ。任務自体は簡単だった。アイスランドで、ある品物の受け渡しをすること、輸送コースも指定されていた。が、その途上には意外にもソ連情報部の罠が! 相次ぐ襲撃をかわすうち、スチュワートはさらに驚くべき事実にきづいた。味方のはずのかつての上司、さらにはCIAまでもが彼を追跡して来たのだ! |
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78.ディック・フランシス『配当』 物理教師ジョナサンは、ある日友人からひそかに三本のコンピュータのテープを渡された。数日後、その友人は事故死し、ジョナサンも命を狙われる……テープには、三回に一回は当たるという驚くべき確率の勝馬予想システムが組み込まれていたのだ。テープをめぐる熾烈な争奪戦を新機軸の構成で描く。 |
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79.リチャード・コンドン『影なき狙撃者』 朝鮮戦争で英雄となったアメリカ陸軍軍曹のレイモンドは、帰国後平穏に暮らしていた。やがて、彼の周囲で敬愛する人々が殺される事件が相次ぐ。その一方で、軍隊時代の上官マーコをはじめ当時の戦友たちは、起きてはいないはずの戦争中の惨劇の悪夢に悩まされていた。マーコは、レイモンドこそがすべての鍵を握っていると確信し、調査を開始する―人間の心を操る冷戦下の非情な国際的陰謀を描いた戦慄の名作サスペンス。 |
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80.キャロライン・グレアム『蘭の告発』 イングランドの森深く、ひっそりと咲く幻の華。ミス・シンプソンは友人ミス・ベルリンガーに先駆けてその蘭をみつけようと森の中を散策していた。葉のそよぎ、鳥の嗚き声。さまざまな森のざわめきのなかで彼女が見てしまったものは何だったのか?秘められた禁断の愛、そしてあまりに自然すぎるミス・シンプソン81歳の死。主任警部バーナビーが捜査するうち、村の住人の隠された私生活が洗い出されていく。田園風景のなかで繰広げられるブリティッシュ・ミステリーの至高。 |
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探偵作家フィリクス・レインは、最愛の一人息子を暴走する自動車に引き逃げされた。再三の調査にもかかわらず自動車の行方は知れず、六カ月がむなしく過ぎた。怒りを抑えきれない彼は、ひとり見えざる犯人に復讐を誓った! 英国の桂冠詩人セシル・D・ルイスがブレイクの筆名で綴った、香気あふれる本格傑作。 |
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82.マーティン・クルーズ・スミス『ゴーリキー・パーク』 1977年4月、モスクワのゴーリキー公園で雪の下から男女3人の射殺体が発見された。いずれも顔面を鋭利な刃物で削ぎ落とされ、指先も切断されていた。捜査を命じられた民警の主任捜査官レンコは残虐な事件の背後に見えかくれするKGBの影に当惑する。彼は人類学研究所に被害者の顔の復元を依頼する一方、被害者のひとりがはいていたスケート靴から運命の女性イリーナと出会う。反体制派の彼女に次第に魅かれてゆくレンコ。そして捜査線上に浮かぶアメリカ人の毛皮商…。不可解な事件の真相を追ってレンコはソ連社会の暗部へと迷いこんでゆく。 |
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83.アガサ・クリスティ『死が最後にやってくる』 傲慢で美貌の愛妾ノフレトを連れて族長が帰ってきた。その日から、一族のなかには反目や憎しみが。そしてノフレトが崖の小径から転落死を遂げた。これで再び平和が戻ってくるかに思われたが―紀元前二千年のナイル河畔で起こった恐るべき惨劇!エジプトの古代都市を舞台に華麗な世界が展開する異色ミステリ。 |
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84.クリスチアナ・ブランド『緑は危険』 へロンズ・パーク陸軍病院には、戦火を浴びた負傷者が次々と運び込まれる。郵便配達人のヒギンズもその一人だった。三人の医師のもと、彼の手術はすぐ終わると思えた。が、患者は喘ぎだし、まもなく死んだ。しかも彼は殺されていたのだ! なぜ、こんな奇妙な場所で、一介の郵便配達人は死を迎えることになったのか? ”ケントの恐怖” の異名をとるコックリル警部登場。 |
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85.シリル・ヘアー『法の悲劇』 10月は巡回裁判の月だった。高等法院判事ウィリアム・バーバーは裁判の開廷予定地へ赴き、晩餐会に出席した。そしてその後で大失態をしでかした。自ら運転する車で高名なピアニストを轢き、一生を台無しにしてしまったのだ。多額の賠償金が要求され、その頃から彼の元へ、不気味な脅迫状が頻々と舞い込むようにもなった。スキャンダルは巷間に伝わり、苦悩するバーバーは、ついに服毒自殺を図ったのだが……? |
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網で捕った蝶を殺し、虫ピンで止めて飾って眺めるのを生き甲斐にしていた孤独な青年が、ある日それを美しい女に試みようと思い立ち娘を誘拐する……一面、警察の調書のように非個性的でありながら、表現力豊かな文体で描かれたサスペンス小説の傑作。わが国でも公開された米映画の原作。 |
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87.J・J・マリック『ギデオンの一日』 ロンドン警視庁にその人ありと知られた犯罪捜査部長ジョージ・ギデオンは、続発する犯罪に体の休まる時がない。きょうも、麻薬密売人の賄賂をうけた部下の一人が何者かにひき逃げされるという事件が起った。一方、ロンドン市内では、最近頻繁に郵便車が襲撃されてるし、さらには憎むべき少女殺しの容疑者も緊急手配しなければならない。強盗、殺人、麻薬密売と果しない犯罪の後を追ってギデオンの一日は暮れる。事件の中には解決されるものもあれば、未解決に終るものもあるというミステリの新しい行き方を示した警察小説の古典的名篇。 |
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88.ライオネル・デヴィッドスン『大統領の遺産』 イスラエル建国に寄与し、初代大統領となったハイム・ワイツマン。彼の史料編纂中に、意外な事実が判明した。本来化学者だったワイツマンが、石油にかわる物質の精製法を研究していたのだ。これに成功すれば、産油国に打撃をあたえ、イスラエルに計り知れない恩恵をもたらす。ワイツマンの書簡の解説が進むいっぽう、何者かによる妨害工作が起きはじめる。ワイツマンの遺産の謎は解けるのか、そして内部に潜む敵は誰か?ゴールド・ダガー三度受賞の巨匠が、歴史の謎解きと謀略小説の醍醐味を、虚実の狭間に巧みに展開させた逸品。 |
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89.アリステア・マクリーン『ナヴァロンの要塞』 エーゲ海にそびえ立つ難攻不落のナチスの要塞、ナヴァロン。その巨砲のために連合軍が払った犠牲は測り知れない。折りしも、近隣の小島ケロスにとどまる1200名の連合軍将兵が、全滅の危機に瀕していた。だがナヴァロンのある限り、救出は不可能。遂に、世界的登山家のマロリー大尉ら精鋭5人に特命が下った─ナヴァロンの巨砲を破壊せよ! 知力、体力の限りを尽くして不可能に挑む男たちの姿を描く冒険小説の金字塔! |
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90.ジュリアン・シモンズ『殺人の色彩』 母親の溺愛を一身に受けて、何不自由なく育ち、女の前に出るだけでも顔を真っ赤にしてどぎまぎしてしまうジョン・ウィルキンズが、メイ・コールターと結婚したのは、彼女の方からプロポーズしてきたからだった。だが、メイはジョンの予想もしないような女だった。夜の営みにも大理石のかたまりみたいにジッとしているメイ─そんな彼女を思うにつけても、ジョンの気持は暗くなっていくばかりだった……。 |
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時は第一次大戦たけなわの1914年、『39階段』の冒険から一年半経ったある日、リチャード・ハネーは再びウォルター卿に招かれ、新たな密命を受けた。中近東の回教徒たちが、新しい天啓の出現を信じ、それを機に反イギリス武力蜂起を企んでいるという。そしてその不穏な動きの背後には、ドイツの不気味な存在が影を落としていた。祖国の危機に際しハネーと二人の仲間は、それぞれ別のルートを辿って、ドイツ占領下のトルコに潜入する。しかし、与えられた手がかりは、意味不明の三つの言葉だけだった! |
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暑熱のロンドンを逃れて、北海に浮ぶフリースランド諸島回遊のヨット・クルージングで休暇を楽しもうとやって来た二人の男が、得たいの知れない事件に巻き込まれた。干潮になると浮上する広大な砂洲にかくされた謎とは何か。第一次世界大戦を予測して書かれたというこの古典的海洋小説は、アンブラーによれば「ヨットについて書かれた最も秀れた小説」である。 |
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1879年11月の肌寒い月曜日の午前1時ロンドン郊外イズリントンの農業ホールで”ウォッブルズ”が開始された。”ウォッブルズ”は”気の向くままに行く”とも呼ばれる19世紀末ヴィクトリア朝に流行した徒歩競技で、その過酷さはやはり当時盛んだったナックルファイティング(素手の拳闘)以上といわれた。競技は昼夜をわかたず6日間にわたって続けられ、その間最長距離を走破したものに賞金の500ポンドが与えられることになっていた。レースの参加者は、プロの選手とは見えない貧弱な体の”謎の男”を含めて16人、興味の焦点は軍人で紳士然とした選手権保持者のチャドウィック大尉とスタイルを無視した力強い走法で数々の競技に勝ち抜いてきた下層庶民のダレルの対決だった。 |
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コンティネンタル探偵社調査員の私が、ある町の新聞社社長の依頼を受け現地に飛ぶと、当の社長が殺害されてしまった。ポイズンヴィル(毒の市)と呼ばれる町の浄化を望んだ息子の死に怒る、有力者である父親。彼が労働争議対策にギャングを雇ったことで、町に悪がはびこったのだが、今度は彼が私に悪の一掃を依頼する。 |
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スパイは砂漠を越えてやって来た。ロンメル将軍が送りこんだアレックス・ヴォルフは、イギリス占領下のカイロで活動を開始する。切り札は花形ベリー・ダンサーのソーニャ。ヴォルフとコード・ブック『レベッカ』の謎を追うイギリス軍のヴァンダム少佐も、自身に想いを寄せるユダヤ人女性エレーネに危険な使命を与えた―。軍略と情欲が鮮烈に交錯する鬼才の秀作、満を持して復活。 |
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96.エド・マクベイン『サディーが死んだとき』 | |
97.H・R・F・キーティング『マハーラージャ殺し』 1930年4月1日、インドのボーポール藩王国大王の宮殿には、12名の客人が参集し、大王の響宴に浴していた。エイプリル・フールの悪戯に興じる大王に、人々は各々の感懐を抱くが…翌朝、大王を先頭に狩りに出た一行を悲劇が襲った。大王が最新型のパーディ銃の引き金を引いた瞬間、銃が暴発したのだ!銃身には何者かの手によって、前日献上されたばかりの珍稀な樹皮が詰められてした―かくて大王は非業の死をとげ、近隣の町から呼ばれたハワード警視が捜査にあたるが…英国推理作家協会賞ゴールド・タガー受賞に輝く本格推理巨篇。 |
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98.サイモン・ブレット『あの血まみれの男は誰だ?』 『マクベス』の上演には必ず災厄がふりかかる─パリスもその言い伝えは知っていた。しかし彼自身が死体の発見者となり、殺人の容疑をかけられることになろうとは…… |
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99.ギャビン・ライアル『本番台本』 | |
100.エドガー・ウォーレス『正義の四人/ロンドン大包囲網』 法では裁けぬ悪人に鉄槌を下す四人の男たち。狙いを定めたのは英国外務大臣だった。ロンドン警視庁の威信をかけた包囲網に果敢に挑むが…最初のベストセラーとなったウォーレスの記念すべき第一作。 |
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