FLAVORWIRE「頭の芯が凍る恐怖小説ベスト50」2013年

オンラインカルチャーマガジン「FLAVORWIRE」が選んだ恐怖小説ベスト50……なのですが、48『ホット・ゾーン』はノンフィクションですね。看板に偽りあり、で申し訳ありません(苦笑)日本からは2『ピアッシング』が入っているのがちょっと誇らしい。村上龍さんは『イン ザ・ミソスープ』や『オーディション』などもなかなかエグく、後者は三池崇史『オーディション』(2000)としてホラー映画にまでなっています。5『アメリカン・サイコ』、延々と続くブランド名の羅列に頭の芯が痺れることでしょう。名刺の紙質やそこに使われているフォントのセンスにまで取り憑かれてゆくヤッピーの狂気。8『侍女の物語』、女性が子供を産むための「社会資本」として扱われるディストピア。現状のフェミニズムに疑問を呈したアトウッドがフェミニストからの猛烈な攻撃に晒されたことを覚えているひとも多いかも知れません。26『蜂工場』、この結末はだれにも話してはいけません。

 

IT(1) (文春文庫)

1.スティーヴン・キングIT

一本の電話が、六人それぞれの平穏を破る。長いあいだ記憶の底に眠っていたものを、揺り覚ます。二十七年前、ある場所で、あることが起こった。そして、ひとつの約束がなされた。いま、その時がきたのだ。「さあ帰るんだ、故郷の町へ」。だれもそれを止めることはできない。たとえそれが、青天(ブルー)から暗闇(ブラック)へと渡ることになろうとも。

ピアッシング (幻冬舎文庫 む 1-2)

2.村上龍ピアッシング

ニードルが乳首を貫くとき、美と勇気は現れる。惨劇は、殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会った夜に始まる。誰の心にも潜む、もうひとりの自分が引き起こす壮絶なサイコスリラー。

エクソシスト (創元推理文庫)

3.ウィリアム・ピーター・ブラッティエクソシスト

女優クリスの娘リーガンを突如襲う異変。教会で発見された黒ミサの痕跡。映画監督の惨殺。一連の異常事は次第に《悪魔憑き》の様相を見せはじめた。神父カラスに助けを求めるクリス。が、ここから善と悪との闘争が始まろうとは知るよしもなかった! 壮絶な恐怖とともに愛と希望を描く感動の傑作。

ゴースト・ストーリー (上) (ハヤカワ文庫 NV (737))

4.ピーター・ストラウブ『ゴースト・ストーリー

ニューイングランドのある町の市長ワンダリーの息子デヴィッドが、ニューヨークの自宅アパートから転落死した。これをきっかけに、ワンダリーとその友人である医師や弁護士の周りで奇怪な出来事が次々と発生する。一方、デヴィッドの弟ドンは勤務する大学でアルマという美しい女性と知り合うが、それを境に彼の周りでもまた奇怪な出来事が次々と発生する。不審に思ったドンは調査を進めるうちに、父とその友人たちが若い時分に起こした忌まわしい事件を知る。

アメリカン・サイコ〈上〉 (角川文庫)

5.ブレット・イーストン・エリスアメリカン・サイコ

マンハッタン。ウォール街で働くパトリックは、富と地位を約束されたエリート・ビジネスマン。しかしその生活は倦怠と狂気に満ちていた。どこのレストランに顔がきくか、高級ブランドにどれだけ通じているか、どんな名刺をつくったか―飽くことのない物欲、友人達との無意味な会話。そしてセックスの後には残虐な殺人が繰り返される。消費行動と物欲に彩られた醜悪な時代を描き、現代に巣食う病をえぐり取った問題作。

地獄の家 (1972年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

6.リチャード・マシスン地獄の家

モダンホラーの先駆者であり、「幽霊屋敷」というジャンルの開拓者でもあるマシスンの存在を知らしめた作品。残虐行為に耽溺した狂人の霊が取り憑いた家。物理学者とその妻、そして男女の霊媒師という相反する顔ぶれが真相究明に乗り出す。想像を絶する奇怪な出来事の連続のなか、電磁パルスによって超常現象を「解釈」しようとする物理学者の試みは挫折する。彼の妻は「憑依」され、死の淵を彷徨う。霊媒師は「交信」には長けているが、対抗手段を持たず無力である。徘徊する悪霊は猫がネズミをもてあそぶように4人を苦しめる。

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

7.ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ

トランシルヴァニアの山中、星明かりを封じた暗雲をいただいて黒々と聳える荒れ果てた城。その城の主ドラキュラ伯爵こそは、昼は眠り夜は目覚め、狼やコウモリに姿を変じ、人々の生き血を求めて闇を徘徊する吸血鬼であった。ヨーロッパの辺境から帝都ロンドンへ、不死者と人間の果てしのない闘いが始まろうとしている…時代を越えて読み継がれる吸血鬼小説。

侍女の物語

8.マーガレット・アトウッド侍女の物語

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。彼女は監視と処刑の恐怖に怯えながらも、禁じられた読み書きや化粧など、女性らしい習慣を捨てきれない。反体制派や再会した親友の存在に勇気づけられ、かつて生き別れた娘に会うため順従を装いながら恋人とともに逃亡の機会をうかがうが…男性優位の近未来社会で虐げられ生と自由を求めてもがく女性を描いた、カナダ総督文学賞受賞作。

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1)) (創元推理文庫 523-1)

9.ハワード・フィリップ・ラブクラフトラヴクラフト全集

幻想と怪奇の作家ラヴクラフト。その全集第一巻! 彼の生みだしたクトゥルフ神話が怪しく息づく傑作「インスマウスの影」そして「闇に囁くもの」、デラポーア家の血筋にまつわる恐るべき秘密を描いた「壁のなかの鼠」、彼の知られざる一面を垣間見せるブラック・ユーモアの「死体安置所にて」の全四編を収録、怪奇小説ファン必読の書!

ねじの回転 (光文社古典新訳文庫)

10.ヘンリー・ジェイムズねじの回転

両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが―巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。

紙葉の家

11.マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家

単純なミスプリントも含めてすべてが「仕様」、仕掛け・遊びがいっぱいの長編ホラー小説。「ネイヴィッドソンの物語」「ザンパノの物語」「トルーアントの物語」の3つが、三重のクラインの壷の構造でつながり合う。

たたり (創元推理文庫)

12.シャーリー・ジャクスン『たたり

心霊学研究者モンタギュー博士は、幽霊屋敷として知られる「丘の屋敷」を調査するため三人の男女を呼び集めた。まるで意志を持つかのように彼らの前に怪異を繰り広げる「屋敷」。そして図書館に隠された手稿が繙かれ、秘められた過去が明るみに出るとき、何が起きるのか?幻想文学の才媛が描く、美しく静かな恐怖。

羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)

13.トマス・ハリス羊たちの沈黙

獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリススターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが―。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する“悪の金字塔”。

ローズマリーの赤ちゃん (ハヤカワ文庫 NV 6)

14.アイラ・レヴィンローズマリーの赤ちゃん

ローズマリーウッドハウスと売れない役者の夫ガイは、ニューヨークのアパートに引っ越してきた。隣人のローマン・カスタベットとその妻ミニーは、少々お節介なほど面倒見がよい人たちである。カスタベット夫妻には、若くして自殺した養女がいた。カスタベット夫妻と親しくなったローズマリーは養女の形見であるというペンダントをプレゼントされる。その後、ガイとローズマリーは一緒に子供を作ろうと計画するが、その夜、ローズマリーは気分が悪くなり気絶し、悪魔に犯されるという夢とも幻覚ともつかない体験をする。

アミティヴィルの恐怖―全米を震撼させた悪魔の家 ドキュメント

15.ジェイ・アンソン『アミティヴィルの恐怖

1974年11月13日、ニューヨーク州ロングアイランドのアミティヴィルにある大邸宅でデフェオ一家が惨殺される事件が起こる。犯人は長男のロナルド・デフェオ・ジュニア。地下室に閉じこもっていたという彼は就寝中の両親と4人の弟妹たちをライフルで次々と射殺。我に返ったロナルドは自ら警察に通報した。逮捕後、彼は「家が家族を殺すよう命じた」と主張したという。それから1年後、子供たちとの暮らしのために新しい住まいを探していたジョージとキャシーのラッツ夫妻は、その日、新聞広告に載っていたこのアミティヴィルの大邸宅を訪れた。案内した不動産屋はこの邸宅で起きた殺人事件の事を話すが、値段の安さにひかれ夫妻は購入を決めた。引っ越し当日、ラッツ夫妻と3人の子供たちはこれからの生活に心を躍らせるが、その夜からジョージや娘のエイミーが体調を崩し始め、やがて怪奇現象が一家に襲いかかる。

審判 (岩波文庫)

16.フランツ・カフカ審判

Kについてはごく平凡なサラリーマンとしか説明のしようがない。なぜ裁判に巻きこまれることになったのか、何の裁判かも彼には全く訳がわからない。そして次第に彼はどうしようもない窮地に追いこまれてゆく。全体をおおう得体の知れない不安。カフカ(1883‐1924)はこの作品によって現代人の孤独と不安と絶望の形而上学を提示したものと言えよう。

ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本(1) (血の本) (集英社文庫)

17.クライブ・バーカー「血の本」シリーズ

ミッドナイト・ミートトレイン
ジャクリーン・エス with 腐肉の晩餐
セルロイドの息子
ゴースト・モーテル
マドンナ
ラストショウ

ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤 (ハヤカワepi文庫)

18.コ―マック・マッカーシーブラッド・メリディアン

19世紀半ばのアメリカ。14歳で家出した少年は、各地を放浪した末にグラントン大尉の率いるインディアン討伐隊に加わった。彼はそこで隊の一員である異形の大男、ホールデン判事を知る。戦争は神だ―にこやかにそう述べる判事とともに、一行は荒野をわたり、暴虐の限りをつくす旅をつづけるが。

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

19.ジョー・ヒルハートシェイプト・ボックス

ロック界のかつての大スター、ジュード・コインには異様なるものの蒐集癖があった。ある日ネット・オークションで落とした「幽霊の取り憑いたスーツ」が届くと、怪事が起き始めた。現れた老人の幽霊は、かつてジュードが捨てた女の義父だという。復讐に燃える怨霊から逃れるジュードと愛人の逃避行が始まる…。むかしの女がいた街へひた走る恐怖に満ちた旅は、これまで生きた人生に対峙する旅路でもある。デビュー作で、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞ほかを受賞した、アメリカン・モダンホラーの新たな才能が、小学館文庫で刊行開始。

殺戮のチェスゲーム(上)

20.ダン・シモンズ殺戮のチェスゲーム

アメリカ南部の都市チャールストンで、戦慄すべき連続殺人事件が発生した。一見何のつながりもない九人の老若男女が殺し合いを繰り広げたのだ。捜査を担当するジェントリー保安官と被害者の娘ナタリーは、訪れた精神科医のソールから驚くべき事実を打ち明けられる。事件には、人の心を自由に操る能力者、マインド・ヴァンパイアが深く関与しているというのだ。ブラム・ストーカー賞をはじめ数々の賞に輝くホラー超大作。

ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)

21.エドガー・アラン・ポーポオ小説全集

アメリカ最大の文豪であり、怪奇と幻想、狂気と理性の中に美を追求したポオ。彼は類なき短編の名手である。推理小説を創造し、怪奇小説・SF・ユーモア小説の分野にも幾多の傑作を残した彼の小説世界を全四巻に完全収録した待望の全集!

Dawn: Lilith's Brood 1 (English Edition)

22.オクタヴィア・E・バトラー『Dawn

少年は残酷な弓を射る 上

23.ライオネル・シュリバー『少年は残酷な弓を射る

キャリアウーマンのエヴァは37歳で息子ケヴィンを授かった。手放しで喜ぶ夫に対し、なぜかわが子に愛情を感じられないエヴァ。その複雑な胸中を見透かすかのように、ケヴィンは執拗な反抗を操り返す。父親には子供らしい無邪気さを振りまく一方、母親にだけ見せる狡猾な微笑、多発する謎の事件…そんな息子に“邪悪”の萌芽を見てとるが、エヴァの必死の警告に誰も耳を貸さない。やがて美しい少年に成長したケヴィンは、16歳を迎える3日前、全米を震撼させる事件を起こす―。

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

24.ジャック・ケッチャム隣の家の少女

1958年の夏。当時、12歳のわたし(デイヴィッド)は、隣の家に引っ越して来た美しい少女メグと出会い、一瞬にして、心を奪われる。メグと妹のスーザンは両親を交通事故で亡くし、隣のルース・チャンドラーに引き取られて来たのだった。隣家の少女に心躍らせるわたしはある日、ルースが姉妹を折檻している場面に出会いショックを受けるが、ただ傍観しているだけだった。ルースの虐待は日に日にひどくなり、やがてメグは地下室に監禁されさらに残酷な暴行を―。キングが絶賛する伝説の名作。

ペインティッド・バード (東欧の想像力)

25.イェジー・コジンスキー『ペインティッド・バード

第二次大戦下、親元から疎開させられた6歳の男の子が、東欧の僻地をさまよう。ユダヤ人あるいはジプシーと見なされた少年が、その身で受け、またその目で見た、苛酷な暴力、非情な虐待、グロテスクな性的倒錯の数々―。

蜂工場 (ele-king books)

26.イアン・バンクス蜂工場

そこはスコットランドの小さな島。海岸沿いの家では16歳のフランクが、学校にも行かずひっそり父と暮らしていた。彼はある日、精神病院にいるはずの兄エリックが脱走したことを知る。かつてエリックは犬を燃やすなど異常な行動をとっていたのだった。直後にかかってくる電話。「おれだ」「殺してやる! 」

The Cipher

27.キャス・コジャ『The Cipher

蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)

28.ウィリアム・ゴールディング蠅の王

疎開する少年たちを乗せた飛行機が、南太平洋の無人島に不時着した。生き残った少年たちは、リーダーを選び、助けを待つことに決める。大人のいない島での暮らしは、当初は気ままで楽しく感じられた。しかし、なかなか来ない救援やのろしの管理をめぐり、次第に苛立ちが広がっていく。そして暗闇に潜むという“獣”に対する恐怖がつのるなか、ついに彼らは互いに牙をむいた―。

ルインズ〈上〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

29.スコット・スミスルインズ―廃墟の奥へ

アメリカからメキシコのカンクンへやって来た若い2組のカップル、ジェフ、エイミー、エリック、ステイシー。当地で彼らはドイツ人旅行者マティアスと能天気なギリシャ人3人組の観光客と知り合う。そのマティアスが出かけたまま戻らない弟を捜しに行くと言い出し、アメリカ人4人とパブロというギリシャ人が同行することになった。行先は弟が残した手書き地図に描かれた発掘現場。軽い冒険旅行のつもりだったが、一行がマヤ人の集落に着くと事態は急変、眼前に地獄への扉が開かれた…。

M・R・ジェイムズ怪談全集〈1〉 (創元推理文庫)

30.M・R・ジェイムズ『M・R・ジェイムズ怪談全集

ミステリにおけるコナン・ドイルと並び称されるイギリス怪奇小説の巨匠、M・R・ジェイムズ。彼が学究生活のかたわら創作し、友人や学生たちに語り聞かせた怪談の全てを2巻に収める。第1巻にはラヴクラフトをも嘆息せしめた傑作「マグナス伯爵」や、ありえぬ部屋の怪を描く「十三号室」など、古書・古物趣味に彩られた恐怖の愉しみ溢れる15篇を収録。

Naomi's Room: Naomis Room

31. Jonathan Aycliffe『Naomi's Room

The Ritual

32.Adam Nevill『The Ritual

ジョニーは銃をとった (1971年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)

33. ドルトン・トランボジョニーは銃をとった

本作は第二次世界大戦勃発の1939年に発表されたが、反戦的な内容が「反政府文学」と判断され、戦争の激化した1945年、ついに絶版(事実上の発禁処分)となる。戦後になって復刊されたものの、朝鮮戦争時には再び絶版とされ、休戦後に復刊されるなど、戦争のたびに絶版と復刊を繰り返す。

黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕 (ハヤカワ文庫NV)

34.スーザン・ヒル黒衣の女 ある亡霊の物語

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。弁護士のキップスは、亡くなった老婦人の遺産整理のため、館にひとり泊まりこむことになる。だが立ちこめる霧があたりを覆うと、想像もできなかった怪奇が襲いかかった…孤立した館にしのび寄る恐怖をじっくりと描きあげ、伝統ある英国ゴースト・ストーリーの歴史に新たなページをひらいた傑作。

Incarnate

35.Ramsey Campbell『Incarnate

恐怖 (創元推理文庫 F マ 1-3)

36.アーサー・マッケン『恐怖

アーサー・マッケンは平井呈一が最も愛した怪奇小説家だった。二十代の頃、友人から借りた英国の文芸雑誌で「パンの大神」に出会った平井青年は、読後の興奮収まらず、夜が明けるまで東京の街を歩き回ったという。戦後その翻訳紹介に尽力、晩年には『アーサー・マッケン作品集成』全六巻を完成させた。太古の恐怖が現代に甦る「パンの大神」のほか、大戦中に英国の或る地方を襲った怪事件の顛末を描く中篇「恐怖」などの七編に、作品集成の解説すべてを併載。

Scary Stories to Tell in the Dark: Three Books to Chill Your Bones: All 3 Scary Stories Books with the Original Art!

37.Alvin Schwartz『Scary Stories to Tell in the Dark

10月はたそがれの国 (創元SF文庫) (創元推理文庫 612-2)

38.レイ・ブラッドベリ10月はたそがれの国

ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」全編に、新たに五つの新作を加えた珠玉の作品集。後期のSFファンタジーを中心とした短編とは異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。ジョー・マグナイニの挿絵十二枚を付す決定版。

死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)

39. ハーラン・エリスン死の鳥

25万年の眠りののち、病み衰えた惑星“地球”によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語―「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。

White is for Witching: A Novel

40.Helen Oyeyemi『White is for Witching

ボーダー 二つの世界 (ハヤカワ文庫NV)

41. ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『ボーダー 二つの世界

罪や不安を嗅ぎ取る能力を活かしスウェーデンの税関で働くティーナはある日、虫の孵化器を持った不思議な男と出会う。彼の秘密が明らかになるとき、ティーナが出会う新しい世界とは…映画原作である表題作のほか、『MORSE―モールス―』番外篇の「古い夢は葬って」、集合住宅に這い寄る恐怖を描く「坂の上のアパートメント」、高齢女性の明るくも悲しい犯罪譚「マイケン」など、現実と異界の境界を問う11の物語。

コレクター (上) (白水Uブックス (60))

42.ジョン・ファウルズコレクター

網で捕った蝶を殺し、虫ピンで止めて飾って眺めるのを生き甲斐にしていた孤独な青年が、ある日それを美しい女に試みようと思い立ち娘を誘拐する……一面、警察の調書のように非個性的でありながら、表現力豊かな文体で描かれたサスペンス小説の傑作。わが国でも公開された米映画の原作。

The Store

43.Bentley Little『The Store

Penpal

44.Dathan Auerbach『Penpal

冷血 (新潮文庫)

45.トルーマン・カポーティ冷血

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル―。様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。

スワン・ソング〈上〉 (ミステリペイパーバックス)

46.ロバート・R・マキャモンスワン・ソング

7月17日、第3次世界大戦勃発。米ソの核ミサイルによる炎の柱と放射能の嵐が全土を覆い尽くした。地下室に閉じ込められた少女スワンとプロレスラーのジョジュ、地下鉄の下水路で九死に一生を得たバッグ・レディのシスター、崩れた核シェルターから脱出したベトナム帰還兵のマクリン大佐とゲームおたくのローランド少年、生き延びた人びとを待っていたのは、火傷と放射線障害、「核の冬」の極寒、そして過去の遺物の争奪…。死よりなお凄惨な狂気の世界であった。核戦争後のホロコーストアメリカ大陸を舞台に繰り広げられる、世界再生の鍵を握る少女スワンを巡っての聖と邪の闘い。世記末の黙示録神話を描く、ホラー界第3の男、マキャモンの「超」大作巨篇が遂にそのベールを脱ぐ。

ウルフェン (ハヤカワ文庫NV―モダンホラー・セレクション)

47.ホイットリー・ストリーバー『ウルフェン

ニューヨークの下町ブルックリンで2人の警官の惨殺死体が発見された。拳銃を抜く間もなく息絶えた2人の喉は鋭い牙で引き裂かれ、そのまわりには無数の獣の肢跡が。だが、その肢跡は犬のものでも、狼のものでもなかった。犯人捜査にあたったニューヨーク市警の古参刑事ジョージ・ウイルソンと女性パートナーのベッキィ・ネフはやがて恐るべき真実をつきとめた…。大都市ニューヨークを舞台に、斬新なアイディアで描き出す、かつてない恐怖とサスペンスの世界!

ホット・ゾーン: エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々 (ハヤカワ文庫NF)

48.リチャード・プレストン『ホット・ゾーン

1989年、米国の首都ワシントン近郊にあるサルの検疫所をエボラ・ウイルスが襲った。致死率90%、人間の脳や内臓を溶かし「崩壊」に至らしめるエボラ出血熱パンデミックを阻止すべく、ユーサムリッド(米陸軍伝染病医学研究所)の科学者たちが立ち上がる。感染と隣り合わせの極限状況で、彼らは何を思い、どのように戦ったのか?未曾有のウイルス禍と制圧作戦の全貌を伴いた、世界的ベストセラー。

おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)

49.ジム・トンプソン『おれの中の殺し屋

テキサスの田舎町のしがない保安官助手、ルー・フォード。愚か者をよそおう彼の中には、じつは危険な殺し屋がひそんでいた。長年抑えつけてきた殺人衝動が、ささいな事件をきっかけに目を覚ます。彼は自分の周囲に巧緻な罠を張りめぐらせるが、事態はもつれ、からみあいながら、加速度的に転落していく…饒舌な語り口で、おそるべき人間の姿を描ききった、現代ノワールの金字塔!ジム・トンプスンの最高傑作と賞されるあの名作の新訳決定版、ついに登場。

一九八四年 (ハヤカワepi文庫)

50.ジョージ・オーウェル一九八四年

“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。

 

元記事:

flavorwire.com