優現書房セレクト「新選組、まかり通る」2021年【18冊】
ピカレスク小説やロマン・ノワールに一定のニーズがあるように、わたしたちは必ずしも悪を憎んでばかりでもいませんね。最近だと佐藤究『テスカトリポカ』の小説賞受賞とそれに引き続く大ヒットがありました。新選組も有り体に言えば暗殺集団ですが、彼らの人気は根強い(一般的には司馬遼太郎さんの小説がその引き金と言われていますが)。彼らの信念の強固さとそれに殉ずる美学。そして手段を選ばないやり口こそが「悪人」としての魅力であり、現代人の叶わぬ夢を体現しているとも言えるでしょう。一番隊から十番隊までの編成が少年マンガを彷彿とさせ、胸アツなところもあります(笑)そんな彼らの実像に迫る18冊です。
新選組概要
1.山村竜也『新選組真史』産学社、2014年 |
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2.木村幸比古『新選組全史 天誅vs.志士狩りの幕末』講談社選書メチエ、2004年 わずか四人で池田屋に突入、北辺の地まで決死の転戦。「言が成る」すなわち言行一致をひたすら志向し、「誠」を掲げて徳川家に殉じた集団「新選組」。峻烈な局中法度のもと、柔軟に編成を変えながら戦い続けた男たちの原動力とは。一次史料の検証から、第一人者が書き下ろす決定版通史。 |
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天然理心流剣術道場・試衛館に集まった近藤勇、土方歳三、沖田総司を中心に形成された新選組。その勃興から京都での活躍、倒幕後東帰して奥羽戦争に敗れ、函館で土方歳三が散華するまでを最新の研究成果で描く。 |
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疾風怒涛の幕末、時代の変革をめざして東奔西走しながら、三二歳、志半ばで暗殺された坂本龍馬。勝海舟、西郷隆盛、木戸孝允、松平春嶽らとの政局をめぐる交渉の中で、龍馬はどのように行動したのか。また、巨艦を持つことを夢見た海援隊の実態はどうだったのか。龍馬の書簡等基本史料を丁寧に読み解きながら、その実像に迫る。 |
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組織としての新選組が、江戸に戻ったのちも、旧幕脱走軍とともに奥州を転戦し、箱館五稜郭での降伏に至るまでを敢然と戦い抜いたことはあまり知られていない。組織編成の変遷、箱館政府における土方歳三の地位など、民間史学の成果を結集した最新の史料を駆使して、知られざる史実に光をあて、結成から箱館戦争までの七年間を駆け抜けた新選組の真実の姿に迫る。 |
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尊王派と佐幕派の対立は、ついに流血の惨を招くに至った―。殺される側は身分も立場も理由もいろいろだが、「文久」の三年間、政治都市京都を中心に「天誅」の名による殺戮が荒れ狂う。過激派浪士と新選組が死力を振って斬り合う剣戟ロマン。それは「鉄砲」の時代を迎える直前、道場剣術から実戦に復活した「刀」の最後の花道だった。幕府はテロの恐怖にじわじわと消耗してゆく。急転直下のバトル・ロワイヤル。 |
隊士の実像
近藤勇、土方歳三、沖田総司、芹沢鴨、新見錦らの詳細な人物論など、文久三年の創設から明治二年の箱館降伏までの新選組の歩みを人物と編成から解き明かす。新選組詳細活躍年表、新選新選組隊士事典も付す。 |
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近藤、土方、沖田から無名の隊士まで「新撰組」の全メンバーを網羅した大人名事典。隊士一人一人の詳細データと逸話を最新の研究成果に基づいて紹介する決定版。「新撰組」隊士567人のすべてがここに! |
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時は幕末。文久3(1863)年3月の結成から明治2(1869)年5月の終焉に至るまで、新選組には数多くの隊士が加入した。活躍した場所も、現在の〈京都・大阪→関東地方→東北地方→北海道〉と広範囲に及ぶ。この『新選組隊士録』では、全520人に及ぶ隊士を最新史料に基づいて網羅した。横書きを採用することにより、隊の変遷に沿って入隊時期ごとに隊士にナンバーを振り、「A 文久3年、B 元治元年、C 慶応元年、D 慶応2年、E 慶応3年、F 明治元年以降」とグルーピングして掲載。また、すべてを一人の著者が執筆することにより、叙述面では内容の客観性と一貫性を保ち、重複説明をできるだけ避けた。加えて、事実と著者自身の見解・仮説を区分しつつ、併せて掲載した。人物単位の「新選組通史」としても読める一冊。 |
新選組のスター
1.新人物往来社編『近藤勇のすべて』新人物往来社、1993年 近藤たちの思想の底には人間平等論があった。新選組は入隊する者の全てを武士として扱った。農工商の身分にかかわらず。これが自由民権運動の流れの一つである人間尊重あるいは人間平等の精神につながっていく。近藤と彼の生きた時代を語る書。 |
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4.箱根紀千也『新選組局長 芹澤鴨』ブイツーソリューション、2015年 |
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幕末動乱の渦の中で新選組副長として走り続けた土方歳三。池田屋事変、鳥羽伏見の戦いから会津・箱館戦争で戦死するまでの35年の生は幻であり伝説である。その生涯を詳細に描く。 |
資料集
新選組関係資料のうち入手や閲覧の困難な重要史料と近年発見・発表された日記や文書をすべて収録。すべての原文を活字化し、それぞれに史料解題と詳しい註を付し、入門者にも解読できるファン必携の決定版。 |
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新選組の原典である、まぼろしの史料集ついに完成。「新選組始末記」「中島登日記」他、過去に活字化されたものでも、現在では入手が困難であり、さらに新選組を探るうえで必要不可欠と判断されたものを中心に編集されている。 |
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3.新人物往来社編『続 新選組史料集』新人物往来社、2006年 新選組の原典である、まぼろしの史料集第2弾。「近藤勇 土方歳三」「吉野家文書」など新選組に関する新発見史料のほか、隊士の家に伝わった秘蔵の文書など、合わせて31の史料を収載する史料集成。ファン・研究者必備の書。 |
地図
1.新創社編『京都時代MAP 幕末・維新編』光村推古書院、2003年 京都の大路小路は坂本竜馬や新選組が駆け抜け、戦国時代には織田信長が行進し、室町時代には足利尊氏が走った路です。史跡を時代毎に区切り、各時代の古地図と現代地図を重ね合わせて見られるよう工夫した地図。幕末・維新編。 |