優現書房セレクト「ちくま文庫、名短篇の森」2021年【8冊】

先にお断りしておきます、このたびはわたしの備忘録です。適当に買い散らしていると、とくにシリーズ物は買い漏れが起きるうえに、さらには「購入/未購入」の区別がつかなくなってしまいます。やはり1巻から順に買い求めていくのが王道であり、正攻法ですね(苦笑)個別のご紹介はこれ以降にしていきたいと思います。

こうしたアンソロジーは狭まった読書の好みを押し広げるのにもってこいなのですが、それでも文庫本1冊をまるまる読むのはしんどいなあ、というひとには、ポプラ社の「百年文庫」シリーズをオススメします。全100巻で1巻あたり3話を収録。作家のダブりはなく、100巻を読み通せば、300人の作家による300本の小説に目を通すことができます。いち作家いち作品、精選の極みといえるでしょう。ちなみにわたしは11巻『』のゴーリキイ「二十六人とひとり」をプッシュします。オタク気質があるひとなら気が遠くなること請け合いです(笑)

 

名短篇、ここにあり (ちくま文庫)

1.北村薫宮部みゆき名短篇、ここにありちくま文庫(き-24-1)、2008年

本の目利き二人の議論沸騰し、迷い、悩み、選び抜かれたとっておきのお薦め短篇12篇。半村良「となりの宇宙人」、黒井千次「冷たい仕事」、小松左京「むかしばなし」、城山三郎「隠し芸の男」、吉村昭「少女架刑」、吉行淳之介「あしたの夕刊」、山口瞳「穴」、多岐川恭「網」、戸板康二「少年探偵」など、意外な作家の意外な逸品、胸に残る名作をお楽しみ下さい。

名短篇、さらにあり (ちくま文庫)

2.北村薫宮部みゆき名短篇、さらにありちくま文庫(き-24-2)、2008年

『名短篇、ここにあり』では収録しきれなかった数々の名作。人間の愚かさ、不気味さ、人情が詰った奇妙な12の世界。舟橋聖一「華燭」、永井龍男「出口入口」、林芙美子「骨」、久生十蘭「雲の小径」、十和田操「押入の中の鏡花先生」、川口松太郎「不動図」、吉屋信子「鬼火」、内田百〓(けん)「とほぼえ」、岡本かの子「家霊」、岩野泡鳴「ぼんち」など。文庫オリジナルでご堪能下さい。

とっておき名短篇 (ちくま文庫)

3.北村薫宮部みゆきとっておき名短篇ちくま文庫(き-24-3)、2011年

「しかし、よく書いたよね、こんなものを…」と北村薫に言わしめた、とっておきの名短篇!穂村弘「愛の暴走族」、川上弘美「運命の恋人」、戸板康二「酒井妙子のリボン」、深沢七郎「絢爛の椅子」、松本清張「電筆」、大岡昇平「サッコとヴァンゼッティ」、北杜夫「異形」など、目利き二人を唸らせた短篇が勢揃い。

名短篇ほりだしもの (ちくま文庫)

4.北村薫宮部みゆき名短篇ほりだしものちくま文庫(き-24-4)、2011年

過呼吸になりそうなほど怖かった!」と宮部みゆきが思わず口にした、ほりだしものの名短篇!宮沢章夫「だめに向かって」、片岡義男「吹いていく風のバラッド」、内田百〓(けん)「亀鳴くや」、久野豊彦「虎に化ける」、伊藤人譽「穴の底」、織田作之助「天衣無縫」など、目利き二人を震わせた短篇が勢揃い。

謎の部屋―謎のギャラリー (ちくま文庫)

5.北村薫謎の部屋 謎のギャラリーちくま文庫(き-24-5)、2012年

読者を驚かせ、喜ばせるのが大好きな、読み巧者の北村薫さん。人生に満ち満ちている不可解な謎、ユーモラスな謎が一堂に会したミステリアスな世界にご案内いたします。配列の妙味にもご注目下さい。全17編。付録に北村薫宮部みゆき対談。

こわい部屋―謎のギャラリー (ちくま文庫)

6.北村薫こわい部屋 謎のギャラリーちくま文庫(き-24-6)、2012年

『謎の部屋』に続く、「謎のギャラリー」第2弾。平穏な日常が一転して、そこには?思わず叫びだしたくなる恐怖から、じわじわと骨の髄をもこたえるような恐ろしさまで。チャイナ・ファンタジー(南伸坊)、四つの文字(林房雄)、懐かしき我が家(ジーン・リース)、避暑地の出来事(アン・ウォルシュ)、ナツメグの味(ジョン・コリア)、夏と花火と私の死体(乙一)他。付録、北村薫宮部みゆき対談。

読まずにいられぬ名短篇 (ちくま文庫)

7.北村薫宮部みゆき読まずにいられぬ名短篇ちくま文庫(き-24-7)、2014年

日本屈指の本の目利き二人が、古今東西から読まずにはいられない傑作短篇を持ち寄ったアンソロジー。静かに胸をうつ話から、身の毛もよだつ話まで、厳選した18の名短篇。北村・宮部の解説対談収録。

教えたくなる名短篇 (ちくま文庫)

8.北村薫宮部みゆき教えたくなる名短篇ちくま文庫(き-24-8)、2014年

日本屈指の本の目利き二人が、思わず教えたくなるような珠玉の短篇を持ち寄ったアンソロジー。人生の悲喜こもごもがつまった13作を収録。