わたしがこれらの本を読んだとき、ゴシップな興味はなかったと聖人君子ぶるつもりはありません。ただ、それだけが理由でないのも事実です。ひととは何であるかを突き詰めていったときに、極限状況下でのひとの姿はなにがしかの知見を与えてくれます。同じ人…
英国推理作家協会が選出した100冊ですが、その多くが日本語で読めるという幸せ。日本の出版業や翻訳業、ミステリー愛好家のみなさまに頭が下がります。ただ、だいぶ絶版の作品も含まれており、そこは古書をあたるなどして見つけてほしいです。6『レベッカ』…
フリーメイソンの陰謀論、ユダヤ陰謀説、ヒト型爬虫類による支配説、Qアノン──。昔から陰謀論は存在し流布することはあったが、なぜ現在のように陰謀論がまことしやかに語られる時代を迎えたのか、また陰謀論の流布によってどんな時代になったのだろうか。(…
一昨日、昨日に引き続く後編の20冊です。21『山と獣と』、ふだん食べているものについて内省することはとても大切だと思います。内澤旬子『世界屠畜紀行』や写真集『新版 屠場』にもこころに刺さるものがあるでしょう。25『暗い時代の人々』、京都木屋町のフ…
昨日に引き続き、中編の20冊です。11「ヒトラー」、ヒトラーが政権の座に就くことをだれよりも切望したのはドイツ国民でした。わたしたちは軍人や政治家にだけ戦争の責任を押しつけていませんか。16「災害ユートピア」、災害を前に団結し高揚する人びと、ス…
神田神保町に本社を構える亜紀書房と晶文社による東西対決。それなりの本読みでもない限り、両社の出版物を意識して手に取るひとは少ないと思うんですよね(ディスっているわけではありませんw)。だからこそ、両社のオススメ本がいちどきに眺められるこのフ…
ちくま文庫ホラーアンソロジーの第2弾は『宿で死ぬ』です。旅館やホテルといった宿泊先で怪異と遭遇したという話はけっこう耳にしますよね。室内の掛け軸や絵画の裏に御札が貼ってあるとか、今やそれが人口に膾炙してしまい宿泊客にすぐさまバレるため、ベ…
未読書への興味を掻き立ててくれる本のことを、わたしは「キーブック」と呼んでいます。未読書は、本文のなかで言及されていることもあれば、注釈に出典として、巻末に参考文献として紹介されていることもあります。或いは、本そのものがとびきりの名著たり…
わたしにとってのメイドものといえば、森薫さんの『エマ』が真っ先に思い浮かびます。身分違いのふたりの恋という、言ってしまえばあまりにベタな素材をこうも面白く読ませてしまうのは、やはり作者の卓越したストーリーテリング力によるものでしょう。本編→…
アメリカ最大の書店チェーンBarnes & Nobleがオススメする歴代ホラー小説25選。1『ポオ小説全集』は手堅いです。ホラー好きならかならずどこかで目にしたことがあるネタが満載。13『白の闇』はジュリアン・ムーア主演で『ブラインドネス』(2008)として映…