2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

島田裕巳『神道はなぜ教えがないのか』ベスト新書、2013年【10冊】

神道とは、どのような宗教であるかを解説したキーブック。ざっくりとした説明になりますが、「ない宗教」としての神道、「ある宗教」としての外来宗教という区分けが両者には存在するといいます。そしてまた、この違いこそが神道を神道たらしめている最大の…

優現書房セレクト「新選組、まかり通る」2021年【18冊】

ピカレスク小説やロマン・ノワールに一定のニーズがあるように、わたしたちは必ずしも悪を憎んでばかりでもいませんね。最近だと佐藤究『テスカトリポカ』の小説賞受賞とそれに引き続く大ヒットがありました。新選組も有り体に言えば暗殺集団ですが、彼らの…

オーガスト・ダーレス他『恐怖通信Ⅱ』河出文庫、1985年【6冊】

収録された10編中、ほかの書籍に収録されている作品は6つ。1「猫の王さま」、このDHCはサプリメントのDHCで間違いないようです。これは意外な事実でした。さまざまな文献を調べていると、こういう面白い情報にも巡り会えます。3「手押し車になった少年」…

斎藤哲也編「あの人も読んでいる 研究者の口コミフェア」NHK出版新書、2021年【20冊】

NHK出版がプッシュする新書20冊です。2、9がAIをテーマにした著作ですね。同じトピックを扱う本に関してわたしが常々腑に落ちないのは、AIが脅威だというのなら、脅威にならないように使えばいいだけではないか、という点です。勿論、一部の企業や国家…

オーガスト・ダーレス他『恐怖通信』河出文庫、1985年【5冊】

収録された12編中、ほかの書籍に収録されている作品は5つにとどまりました。1冊の本から好奇心のネットワークを広げようという当コンテンツの試みですが、本書についてはご容赦ください。1「幽霊」、愛する男に殺害され、幽霊になった女の顛末とは。オー…

矢野浩三郎編訳「恐怖と怪奇名作集」シリーズ、岩崎書店【30冊】

ジュブナイル(子供向け)に分類されるレーベルですが、本文はすべて大人向けのものと同じです。子供向けに表現を抑制したり、省略したりというようなことはありません。いち作家いち作品という縛りになっていますが、このシリーズ、本当に作品のセレクトが…

キクタヒロシ『昭和のヤバい漫画 知られざる貸本マンガのDEEPな世界』彩図社、2016年【10冊】

まんだらけに行くと貸本漫画の復刻版が店頭に並んでいますが、なかなか現物を手に取るところまでいきません。良く言えば、荒削り。悪く言えば、作品の域に達してない。そんな印象をもってしまうからです。でも、怖いもの見たさはある。そこで貸本マンガを概…

FLAVORWIRE「頭の芯が凍る恐怖小説ベスト50」2013年

オンラインカルチャーマガジン「FLAVORWIRE」が選んだ恐怖小説ベスト50……なのですが、48『ホット・ゾーン』はノンフィクションですね。看板に偽りあり、で申し訳ありません(苦笑)日本からは2『ピアッシング』が入っているのがちょっと誇らしい。村上龍さ…

優現書房セレクト「殺人の血脈」2021年【19冊】

わたしがこれらの本を読んだとき、ゴシップな興味はなかったと聖人君子ぶるつもりはありません。ただ、それだけが理由でないのも事実です。ひととは何であるかを突き詰めていったときに、極限状況下でのひとの姿はなにがしかの知見を与えてくれます。同じ人…

英国推理作家協会「史上最高の推理小説100冊」1990年

英国推理作家協会が選出した100冊ですが、その多くが日本語で読めるという幸せ。日本の出版業や翻訳業、ミステリー愛好家のみなさまに頭が下がります。ただ、だいぶ絶版の作品も含まれており、そこは古書をあたるなどして見つけてほしいです。6『レベッカ』…

ジュンク堂書店池袋本店・丸善京都本店「「陰謀論」の時代」愛書家の楽園vol.117、2021年【21冊】

フリーメイソンの陰謀論、ユダヤ陰謀説、ヒト型爬虫類による支配説、Qアノン──。昔から陰謀論は存在し流布することはあったが、なぜ現在のように陰謀論がまことしやかに語られる時代を迎えたのか、また陰謀論の流布によってどんな時代になったのだろうか。(…

亜紀書房・晶文社「亜紀書房 VS 晶文社 共同フェア From 神保町  並べて考える。このテーマ、この著作」2021年【20冊】(後編)

一昨日、昨日に引き続く後編の20冊です。21『山と獣と』、ふだん食べているものについて内省することはとても大切だと思います。内澤旬子『世界屠畜紀行』や写真集『新版 屠場』にもこころに刺さるものがあるでしょう。25『暗い時代の人々』、京都木屋町のフ…

亜紀書房・晶文社「亜紀書房 VS 晶文社 共同フェア From 神保町  並べて考える。このテーマ、この著作」2021年【20冊】(中編)

昨日に引き続き、中編の20冊です。11「ヒトラー」、ヒトラーが政権の座に就くことをだれよりも切望したのはドイツ国民でした。わたしたちは軍人や政治家にだけ戦争の責任を押しつけていませんか。16「災害ユートピア」、災害を前に団結し高揚する人びと、ス…

亜紀書房・晶文社「亜紀書房 VS 晶文社 共同フェア From 神保町  並べて考える。このテーマ、この著作」2021年【20冊】(前編)

神田神保町に本社を構える亜紀書房と晶文社による東西対決。それなりの本読みでもない限り、両社の出版物を意識して手に取るひとは少ないと思うんですよね(ディスっているわけではありませんw)。だからこそ、両社のオススメ本がいちどきに眺められるこのフ…